リサイクル親父の日記

第830話 廃業でスッキリッッ・・・

2014/08/24

見積したのが数ヶ月前だった。
仙台新港方面で産業道路沿いの更地にプレハブ2棟の事務所。
大きな敷地にはトラックなどが2~30台止められてるし、簡易トイレや廃材も見受けられた。

「震災でね事務所をここにとりあえず移したの・・・でも、もう直ぐに仕事を止めるので・・・」
お父さんが運送業をやってたが、津波被害を受けた。
それを彼女が引き継いで切り盛りしてるが、震災時からの混乱と将来性を考えて、止める決断をした。

だから残務整理が済めば終わるし、震災後に揃えた事務機類を買取できないかと打診してきた。
1棟は事務机が3台にコピー機とかパソコンが設置されてた。
もう1棟は長テーブルが4台組まれてて、周りにパイプイス7~8台を配して休憩所として使ってた。

休憩所は直ぐにでも運んでイイが、事務所はもう少し先、8月お盆明けで頼みますと申し入れされた。
それで今朝最後の買取に行ってきた。
初回、2度目、今回と3回彼女に会ったのだが、段々晴々してきてる。

「あの時はいろいろ悩んでたし・・結論を出せばね・・・これで本当にスッキリできたわ」
俺もいろいろ廃業する人を見てきたが、彼女ほど明るいのは珍しい。
倒産したり、希望のない撤退や閉店、閉鎖では一般的にはネガティブ満タンだが・・・

前回も今回もそうなのだが、大変綺麗に片付いてるから俺らも作業が楽なのだ。
単に搬出するだけで済むし、掃除もされてるので、そのまま売り場に出してもおかしくない、即商品となる。
俺の見解なのだが、全てにおいて人間性は出る。

それが人の生き方になるし、キッチリしてる人は言動全てがちゃんとしてるんじゃないだろうか・・・
なかには表面的にだけ生きてるとか、二面性が如実に出る人もいるし・・・
リサイクルショップの仕事はそんな本質との付き合いでもある。

それが垣間見えるのが俺には実に楽しい。