リサイクル親父の日記

第6話 マックを曲がって、次を左に・・・

2015/02/05

おばあさんからの電話、お年寄りからだと理解できない場合が多い。
実はお年寄りだけじゃなくて、おばさんやおじさん、若い子でもしばしば耳にする。
要領を得ない説明、説明になってない話し方に出会うとこがあるよね。

それは、おばあさんだと確信する声のトーンや言いまわしであり、全く説明になってない。
「家具あんだけど・・・取りに来て、今直ぐがイイよ・・・片付けしてっからさ・・あぁ?うんと古いわな・・」
俺は想像しつつ問いかえしてみた「何年前の物ですか?あんまり古いと難しいかも知れません」

「古いわよ、古い・・・20~30年は・・・それじゃ冷蔵庫は、去年買ったから、どう?」
「冷蔵庫は1年前であれば大丈夫ですね」と俺はそれだけの買取で受けた。
「あんたんとこから来ると・・長町駅前のマック、そこを曲がって・・・次の信号を左に・・・」

俺の言ってることを聞かずに、自分の喋りたいことを喋りたいように言いだしてた。
電話の後方で誰から作業してるらしく、会話や物音の激しさが伝わってた。
引越し作業か何かでリサイクルへの買取依頼を思いついて、電話依頼することになったとか・・・

このケースはたまにあって、思いの外の良品が手に入ったりするのでバカにはできない。
俺は早速、言われた道順ではなくて、ナビの示す通りに目的のアパートに向かった。
古いアパート数軒が立ってて、一画にレンタカーのトラックが横ずけされてので分かりやすかった。

中年男性二人が積み込み作業中で荷台にモリモリと古い家具が詰ってた。
男性が応対して、「ここの人が亡くなってね、片付けよ・・・俺らも頼まれてきてるの」
男性がおばあさんに事情説明してて、彼女はうんうんと頷いて任せてる。

どうやら彼女の近しい人が亡くなって、片付けを男性達に依頼してる状況だった。
冷蔵庫は4年前、電子レンジも同じだったが、洗濯機はもっと古かった。
「兎に角さ、持って行って欲しいのよ」

1年前の方がイイに決まってるが、4年前でも商品としては問題が無い。
積み終えると、おばあさんは「助かったっちゃ、いがっだ、いがった」と訛ってた。