リサイクル親父の日記

第7話 「俺はプロだから、派遣じゃないし、金もイイよ」と自慢が満々と・・

2015/02/06

見積査定を伝えて、彼は少し渋ったが買取交渉がまとまった。
「それで、運ぶのはいつ頃をご希望ですか?」
俺は日程の調整をしようと訊ねた。

「今でもイイし、直ぐの方が・・・できるだけ早くしてよ!」
電話の時は見積をしてから、その後に日程を指定する雰囲気だった。
俺は瞬間迷うが、数日後だと雪の心配もあるし、或は他のリサイクルショップに横取りされかねない。

「午後から来ますよ、もしダメでも明日には必ずやりますから」と宣言してアパートを出た。
帰りの車で二三の方法を考えて、人の手配の電話をして、午後の引き取りを確定する。
せわしない人にはオーバー目にハッタリ気味にいった方がイイ場合もある。

俺は店に着いて、昼飯をセブンの味噌ラーメンを美味しくいただいて、彼のアパートに戻った。
ドアーが開くと、どれもこれもに養生テープで荷造りされてる。
それは引出に開かないようにテープを貼る、ガラスが外れないようにテープで固定する。

大型テレビ台は上下、左右に分解されてるし、天板もガラス板も取はされてる。
DVDプレーヤーもリモコンがテープで固定されてる。
テレビは共箱に納められて縁をテープで塞いである。

それ以上に驚いたのは、彼は玄関の俺に次から次と物を渡してきた。
「ハイ、ジャー、レンジ、テーブル、次は何にしますか?」
「テレビ台がイイですかね」俺は控え目に言う。

そしてトラックまで小走りして積んじゃ、戻りを数回繰り返す。
見積の時にハッキリと「俺も手伝いますから」と言ってたし、それ以上の働きに驚く。
この見事過ぎる始末、物の養生も搬出も完璧で要領が良すぎる。

代金支払いの時に二言三言俺からに質問したら、
「俺はプロだから、派遣じゃないし、金もイイよ」と言って更に続ける。
「それに引越し、宅配もどれに関しても知ってるし経験もあるからね・・・」

店に戻って商品をチャックしたら、なるほどと頷けるほどに状態が綺麗なのだ。
取説もちゃんと揃ってたし、俺以上遥かに扱いが上手いと思った。
自信満々も納得。