2015/02/13
常連のお客さんは有難いといつも思ってる。
別に何かを買わせようとする下心を持ってる訳じゃないが、定期不定期を問わず来てくれるだけでも和む。
ため口調の俺は大抵のお客さんにも同じように軽く接客する。
時候のこと、時事問題、社会的事件、スポーツ、芸能などを軽く話題にして枕詞にする。
彼はもう10年くらい前から来てるだろうか、工具、道具、時には小型家具を買う。
特に印象的なことは、工具を1個、2個と厳選してることだ。
「仕事で使うし、やっぱし壊れてしまうし、何ぼあってイイしな」
そんな具合だから、休日には足繁く来てる。
極最近知ったのだが、彼は仙台市から南下4~50分の地区に住んでる。
それに今日知った事実は、1人暮らしということ、これには少々驚いた。
50歳くらいで作業風スタイルで堅実な買い方をしてたし、喋り方も落ち着いてたし。
俺の先入観だがてっきり妻帯者だと疑わなかった。
今朝も1番目に来て工具数点を買ってくれた。
すると陳列してあった物について聞いてきた。
「これは新品だよね、いつのやつ?」
「昨年製の新品だね、在庫が多過ぎてちょっと・・・」
「うちのは古くて夏に電気代がすっごくかかるし、買いかえようかと思ってた」
「だったら暑くなる前に交換して方がイイ、電気代も節約できるね」
「そうだよな、取り付けは自分で手配すればいいんだな」
彼はしかし決断してくれない、でも俺は無性に売りたくなってきてた。
「暑くなってからじゃ工事屋さんも忙しくなるよ、今だった・・・だから今日持って行って下さいな」
「工具買ったし、持ち合わせが無いよ、今度にするよ」
普通は俺もここまででお終いにして、押し売り的な追い込みはしない。
「金は後日でイイから・・今日持って行って、工事屋さんに頼んでしまえば楽でしょ!?」
「支払いイイのか・・分かった、それじゃ・・・ウチ金1万円入れてく」
10年来の信頼関係、例え住所も電話番号も知らなくても、それが俺流。
1台分でもスペースが空いたのが本当に助かる。