リサイクル親父の日記

第17話 商売上の知合いだったが久しぶりに来てくれて・・

2015/02/16

俺の店の近くである商売をしてた人がいて、時々買いに来てた。
花瓶や小さめの家具、店内の飾りや調度品、それに自宅で使う物という案配。
数年前に廃業するから買取できる物を引取りさせてもらった。

同じ商売をする者として、彼女が数年間しかやれなかったことが淋しかった。
だが、現実の商売はやはりお客さんがいて利益がでないと続かない。
食っていくってのが本当に大変だと実感する瞬間でもある。

仙台市中心部の自宅から引っ越すことになったからと突然やって来た。
マンションに引越すそうで、「・・・狭くなるのよ、だからいっぱい処分するけど・・・」
内心思った、自宅を手放すことにしたのかと、でも聞かなかった。

彼女の意向を聞いて、俺が対応できることだけを伝えた。
自宅に出張するもよし、持ち込んでもらうもよし、判断は彼女がすればイイ。
彼女はかなり高齢で、ご夫婦で長年お店をやっててそれなりに財をなしたようだ(彼女から以前聞いたところによると)。

10年前にご主人が病死して以来、彼女が従業員を使ってお店をやってた。
しかし街中では家賃も高額で維持ができずに俺の近くに越してきてたのだ。
それを廃業してからどうしてたかは知らない・・・

そして家を手放すんだろうなと思える。
商売で儲けるのは手間暇かかるけど、コツコツ何年も何十年もかかる。
その真逆に損する時ってのはアッという間ですよ、ホントに。

少々の損くらいだと思ってても積もり積もって取り返しがつかない。
見切りをつけたいと思っても金欠で撤退すら難しいなってことで、そんなアリ地獄だなんて悲惨さ。
リサイクルショップをやる前には何度かそんなことがあった。

商売をしてても安心なんてできないから、いつも不安がある。
そんなことを思い出した知人の来店。