リサイクル親父の日記

第22話 ヤバイ親子ですかね

2015/02/21

お父さんとは10年来の知り合いです。
長男の彼とはここ数年来、とはいってもほとんど会話したことが無い。
稀に連れだって来るが、お父さんとばっかりやり取りという具合です。

骨董関係に造詣が深いので俺はよくご教授いただく、それが大変役立っている。
時計は古いものから現代品まで、洋物は勿論和時計の果てまで詳しい。
構造にも精通、少々不具合でも修理をするようだ。

機械仕掛けは本当によく知ってる、初めて手にしても数分もいじってると解明しちゃう。
何回か修理してもらったことがあって、完動品として販売できたから嬉しかった。
現状品、NG品として販売することもあるが、できるだけちゃんとした状態で売りたいと願う。

息子さんが箱入り新品の小振りの双眼鏡を選んで、「開けてイイですか?」と聞いてきた。
俺は当然、「どうぞ、どうぞ構いませんから」と了解する。
取り出し作業の傍らでお父さんが、「ん、ん・・何に使うのさ、双眼鏡いっぱい持ってるぞ・・」

「・・観戦の時に・・顔分かんない時にパッと見るのに・・」と説明を始める。
「倍率もいっぱいあるやつが・・・大小7~8台あるぞ・・・それ何倍だよ、小さくないか・・」
双眼鏡を目に当てると窓を見やる、そしてダイヤル調整をしてる。

「お~~見えるよ、ちゃんと見える・・これくらいあれば顔は分かるな」
「どれ貸してみろ・・・8倍か・・小さいぞ」とお父さんは力説する。
サッカー観戦の時、選手の動きを追うが顔が分からない時、サッとポケットから取り出して見る。

その後は又ポケットに戻したりするから、小振りがイイそうだ。
野球も観戦するが、サッカーとは動きが違うから大丈夫だそうで、サッカーには必須アイテムとのこと。
使う息子さんは納得するが、お父さんはもっと倍率の高いものがイイんじゃないかと心配してる。

これって老婆心、8倍じゃ足りないの・・・
8倍・・・ヤ倍・・ヤバイ・・・ヤバイ親子って親父ギャクです。