リサイクル親父の日記

第23話 その昔、俺が売ったもんだよ、どうして?

2015/02/22

店での仕入れ方法も様々ある。
お客さんが直接持ち込んでくる場合、出張して買取する場合など・・・
業者が持ち込む、それも不定期だが頻繁に来る場合もある。

例えば、便利屋さんが片付け荷物を持ってくる場合、解体屋さんも似たり寄ったりかな。
或は、工務店さんが誤発注品の始末、一般の人もこれはあるな。
ホームセンターで買ったけど、寸法違いや色が気にくわなくて、返品ができなくてとかだ。

片付け屋さんといった方が合う、10年来の人がドカッと物を持ってきた。
木箱入り、火鉢だの裸状だが唐金置物、など、置物も塗りモノもある。
このゾーンは少し違うとゴミになる場合もある。

単に値段が安ければ売れるとはならないんだ。
下手すると誰も買わず、いつまでも売れ残り店に永久保存することになる。
だから店内、特に骨董品コーナーにはその類が所狭しと半数以上も佇んでる。

でも時に上手い具合に売れるし、俺の少しばかり魅かれるゾーンでもある。
何故かと言えば、骨董品はリピート率が非常に高いから客寄せとしては最適。
商品はあるけど売上がつくれない場合が相当期間あったりするが、目新しい物があるとソコソコ売れる。

それには常に鮮度感のある物が陳列できるのがベストだが、そこが難しいかな。
彼は、「全部でX万円で買ってよ」といつもの調子で言いよって来た。
個々のチェックをしないで買取するのは勇気もいるが、今までの付き合いの延長で了解した。

彼も品定めや査定はできない、俺とてパッと見て決心するのは少し不安も出る。
まぁ~~、チェックをやるとなると手間暇かかるし、そんな面倒は避けたい。
しかし、店に品だしするには検品しつつ、そのドカッと手に入った物から選ばないとならない。

今直ぐ陳列したい物からチェックする、1点目、又1点、2点、・・・・
2~30分も調べてると、何となく懐かしい物、久しぶりに目にする物、そんな感じが湧いてくる。
それは割合で考えれば1~2割くらいなのだが、続けて段ボール箱を探った。

はがきや封書が束ねられて底に置いてある。
名前を読むと知ってるお客さんだった、何枚も同じ名前だから、実は持ち主は俺の知ってるお客さんらしい???
確かに数年前までは頻繁に来てたよな、でも全く来なくなって久しい。

理由を聞いてもどうしようもない。
片付け屋さんだって仕事としてやっただけだろうし・・・
寂寥感のなかで俺はチェックに励んだ。