リサイクル親父の日記

第26話 五徳を洗ったのはイイことですね

2015/02/25

その朝、予定時間より5分早く着いたが、2階に上がってインターホンを押した。
仙台市青葉区中山は住宅密集してるが、アパートの駐車場が空いてるので、それに出車しただろうから止めた。
道路に止めると狭くなって通行に支障が出かねない。

・・・反応が無い、おゃッと思ったがジッと我慢して待った。
サワサワ音がして、ヌーッとドアが開いて、実に眠そうな彼女が表れた。
パジャマ姿に髪の毛もバランとしてて、さっきまで夢の中だったと思わせる。

玄関床に靴6~7足が所狭しと置いてあるから、俺は外の通路に靴を脱がざるを得ない。
買取品を彼女は示してきた。
簡素な机にキャスター付き引出し、椅子、ハンディ掃除機、そしてガステーブル。

目で追って検品してたら、ガステーブルが何かのっぺりして見えた。
ちょっと変だなぁ~~あ、そっかぁ、「え~と五徳はありますか?・・この火口の周りに鍋とか受けるやつ」
「あります、洗っておいたんです」と水切りかごの食器の上の円形五徳を目で示した。

今時の若い彼女が五徳を洗っててくれたことが驚きだった。
ある種の感動を覚えてしまった。
それから俺らは品々を狭い部屋から運んだ。

しかし、実は台所通路に紙袋やビニール袋が満タン状で置かれてる。
机上にもヌイグルミにまんが本、雑誌がビッシリ積まれてる。
搬出する時にぶつからない様に倒さないようにするために非常に困難を極めた。

でもね、五徳を洗ったことは素晴らしいし、その気持ちで今後の人生を是非・・・
「洗っててもらって助かりましたよ」謝辞を伝えて俺は帰途に就いた。