2015/02/28
近くに住んでる1人暮らしのお爺さんで年金で細々やってる。
開店以来の常連さんであり、必要な物があるとやってくる。
年に2~3回ってとこ、来れば要る物が見つかれば必ず買う。
去年はテレビとファンヒーターを売って、いつものように借家に配達した。
一見すると俺の店で買った電化製品しかないし、座イスもカラーボックスも同様ですね。
テレビだと接続をしてあげる、すると「お茶飲んでけ・・」と誘われる。
そこでも店でもお爺さんが話しかけることにしか俺は反応しないように心掛けている。
齢もかなりだから、お爺さんの人生もいろいろあったさ、と勝手に想像して控えてるのだ。
「お~今日来てよかったよ、ちょうどいい塩梅に自転車があったしよ」
試乗したらえらく気に入ったようで、「踏むのが軽いな、前のは重たくなっててよ、疲れてしょうがなかった」
乗り古してたからベアリングが摩耗してて擬音と異音も出る状態だった。
中古でも今度のは相当軽いし、だから快適に走行できるのだ。
支払いの時お爺さんはいろいろ話しかけてくる。
「この頃、暖かくていいな・・・そういえばよ、洗濯機、ここで買った洗濯機さ、ガタガタいうよになってきてさ・・・」
俺は洗濯機を売った時期が思い出せないが、頷きながら聞いてた。
「あれかな、もう買い変えないとダメだかな・・」
「回る音がうるさくなってくると、そろそろ寿命かもしれないね」
「そっがぁ~んだよな、今度は洗濯機だべな、あれもここで買ったんだよ」
何度も「ここで買った」と言われると、ちょっと責任も出るような気がしないでもない。
「ところで、いつ買ったんでしたっけ?」
お爺さんは熟考してた。
「うん、・・うん、そうだな、随分前だったよな・・・10年以上前だよ、確か」
「中古で買って10年使ったんだから、随分使ったね、そりゃ頑張ったよね」
思わずリサイクルした洗濯機の頑張りに賞賛の言葉を贈った。