リサイクル親父の日記

第30話 新築5年だけど売却して・・・

2015/03/01

時には、稀なのだが非常に気風のイイ人に出会ったたりする。
性別も老若も問わずに気風のイイ人は会話も楽しいし、その人との作業も実に清々しい。
その人との交渉は全てを相手に委ねるようにしてるから、俺は「ウンウン」と相槌を打つ程度。

門扉のインターホンを押すと、元気な声で「どうぞ、お入り下さい!」切れがあってハリがある声だ。
門扉から5~6メーター進んで玄関扉があるから、その前で取っ手に触れようとした時に、グァバーっと中から押されて開いた。
彼女は更に元気で大きな声で「いらっしゃい、どうぞ、どうぞ」と招き入れてくれた。

新築の家の中はまだ新築臭(イイ香り)が各室に漂ってる。
ダイニングキッチンも整然と片付いてるし、それに異常に物が少ない印象を受けた。
「あの、引越しは確か3月後半でしたよね・・・」訊ねたら、「そうよ、だけどね・・・」

ハッキリ、クッキリ、実に明瞭に説明してくれる。
「もう面倒だし、できるだけ早く始末したいから、転勤でしょ、5年前新築したけどね・・・」
キョトンとした俺にパッパッと短めに説明する。

「売ってね、仙台にもう戻れないし、だから東京なの、5年だから大震災前だったわ、その時買い揃えたのよ」
2階建で駐車スペースが3台あるし、狭いが芝の庭もあった。
「東京じゃ、こんなに広くないし、小型な物にしないとね、だから持って行けないの」

俺は言われた家具をそれぞれ検品したが・・・
「それは大丈夫、こっちもどうですか?」と1つずつに反応してくれる。
俺は居間と玄関を行ったり来たりしながら、大物ダイニングテーブルとレンジボードを搬出する方法を模索した。

「家具屋さんね、二人で玄関からだったと思うのよ・・・でも、廊下が邪魔かしら・・・」
玄関を上がると壁で遮断されるから、90度右折して扉まで2~3メートル進んで居間にという配置。
すると大型家具は壁やドア枠にぶつかるし、或は角を交わせないこともありそう。

「ベランダの方が問題ないような・・・」俺が言いだすと、「ウン、それがイイワ」ってな具合。
俺はメモをなぞって査定金額を出して伝えた。
「お金になるの?もらえるの?持って行ってもらえるだけで大助かりなのに、悪いわね」