リサイクル親父の日記

第33話 何度もメールありがとうござい・・・

2015/03/05

仙台市青葉区本町っていう地名からも分かるように街のど真ん中です。
銀杏並木沿いで仙台駅が近く県庁なども近いから、本当にど真ん中です。
オフィスビルが林立してる、そのビルの一室でした。

片側3車線で歩道も広いから路駐しても問題はないけど、長くは止めておけない。
朝の通勤時間帯だから車も多いが、それ以上に異常に多く感じるのは歩行者のみなさん。
普段は車の渋滞は見慣れてるが、これほどたくさんの人、ひと、ヒトは俺にはなじみが無い。

ビルが横断歩道の近くだから、横断を待つ人たちも脇目もふらず小走る人たちにも圧倒されちゃいました。
仙台って都会だな、と感慨深くもなる瞬間です。
普段は一般家庭からの出張買取が多いので、朝この時間帯にビルに行くことは新鮮でもある。

エレベーターにはサラリーマンたちが入れ替わり立ち替わる。
やがてその会社のドアの前に着く。
ドアを開けると更にドアがあって、小型の受け付けカウンターが電話型インターホンを乗せてる。

受付の内線番号を回すと、依頼者の彼女が応答した。
中に入るとワンフロアで机が向かい合わせで4列の各10台並んでるから相当な人数が働ける。
他に大きな楕円テーブルが見えるから、会議には二十人以上も参加できそうだ。

最初の買取依頼メールは1月以上前だった。
俺の見積に対して2週間後に返事があって、決定した。
その後に日時調整にメールだけでやり取りしてたが、本当にクイックリーレスポンスだった。

何度も丁寧なメールなので、無愛想なメールの俺はかなり礼を失したはずだ。
その日が初めての対面なのだが、ずっと前から知合いのような錯覚が出た。
「・・あの、メールではありがとうござい・・・し・・・た」

男性社員がドンドン出社してくる室内で、俺は買取品の側でお礼を言った。