リサイクル親父の日記

第38話 旧交を暖めてもしょうがないかな・・・

2015/03/12

スーッと店に入って来てたんだと思う。
俺の斜め前方45度数メートル先で気づいた。
知合いだと分かったが、何処の何方かって一瞬思い出せずに見つめてしまった。

彼は俺を知ってるし、だから俺の店に来た訳だから、ニコニコしてる。
俺は名前を思い出そうと必死だった。
「・・オーッ、久しぶりじゃないですか?・・どうして、又・・・」

名前が出てこなくて、感嘆だけを発した。
「いかがですか?お変わりないですか?」と気遣ってくれた。
そうして二言三言挨拶を交わしてると、徐々に彼の詳細(?)が浮び、同時に名前も浮んだ。

「仕事は順調ですか?震災は大丈夫でしたか?」俺らは近況を聞きあい伝えあった。
判で押したように、低調でしんどくなってる、でも頑張らないと・・・
そしてお互いの健康などを延々と語り合ってた。

最後に会ったのが8~9年前なので、年も取ったし、病気の一つも出てきてる。
もちろん商売は違うから、ただ言えるのは社会の急変に付いて行けない状況は似てる。
それとこれからの打開策がなかなか見つけられずに苦労してる。

初めて会ったの20年以上前なので、若かった。
「あの頃は、ギラギラしてましたよね、今はすっかり落ち着いてますね」
それは褒め言葉だろうか、老化現象の指摘だろうか、俺は迷った。

リサイクルショップ起業のずっと前だった。
創業したての会社を四苦八苦しながら経営してた。
あの踏ん張りや頑張りを今一度トライしてみたいが、体力も気力も小さくなってるらしい。