リサイクル親父の日記

第48話 俺の想像を絶っす

2015/04/01

俺の想像は大したことはない。
その想像が外れた程度はなんてことない、ある意味では、どうでもイイことかも。
しかし、当の本人、即ち俺自身には驚きであり、ショックである。

色んな出来事が時々刻々と迫ってくるし、類似性があってもその体験も似たようで違うから、諸行無常ってことだ。
人生も相当長くやってるから、少々のことには驚きもしないけど・・・
珍しいこと、俺の経験が無いことに出くわすと、俺だったらどうする?って考える癖もある。
 

テレビの買取依頼の電話だった。
声色からは若い女性だと分かったし、口調や舌足らずな説明からは学生の印象だ。
住所は若林区で店からは近くて15分程度だったから、昼飯前のひと仕事と思って出かけた。

アパートは「ホワイトXXXX」というが、建物はグレーに汚れてて古い1K。
狭い玄関から、洗濯機に冷蔵庫が置かれて狭くなってるKを斜めになって通って6畳間に着く。
簡易なベットにカラーボックス、小振りな折りテーブル、しかし、とても綺麗に整理整頓されてる。

19インチの初めて目にするメーカーのテレビは4年前のものだ。
てっきり引越しで売るのかと思ってたから、整理整頓されてこれからもここで生活するぞって臭ってるのが不自然だ。
とても引越しする風には見えないし、単にテレビだけを売る風だ・・・

そうか、テレビを大きなサイズに買い変えするんだな、と俺は想像した。
「やっぱり、大きいのに替えるんですか?」って訊ねた。
「NHK・・契約、止めるんで」その答えに一瞬意味不明になった。

「契約料を節約するんだ~~」と納得する俺がいた。
「観ないし、スマホでニュース分かるし・・・」現代人な答えだった。
そして「買取証明を欲しいんで・・ありますか?」

「特にないですが、俺の署名で良ければ書きますよ」
・・・
テレビの無い生活、俺だったらどうだろうか?

とっても不自由だし、ニュースも見たいし、映画も観たいし、少しは大きな画面で見たいし・・・