リサイクル親父の日記

第64話 いつも言います、迷ったら買い控えしてください

2015/05/19

おばちゃんが北海道旭川家具のライティングディスクを気に入った。
「これ・・・イイ物かしら?? どうなの?」と訊ねてきた。
俺は少しばかりの知識、しかしチョビッとしか分からないんだが説明した。

「そうなんだ、これ買うわ!ちょうど電話置いたりできるし、テーブルを仕舞っておけるし・・」
俺は配達の都合を聞くためにレジカウンターに誘った。
配達住所や希望日時を聞いて、そして決めていった。

それから彼女は早口に自分の状況を話しだした。
「ほらね・・義母が去年亡くなって・・それでやっと思い通りにできるようになって・・少しずつ買ったり・・・
仙台箪笥を買ったりしてたの、でも新品って物凄く高いでしょ、わたしのは安い方だけど・・でも予算がね・・」

相当義母に虐げられたのだろうか、とってもスッキリしたように嬉しそうに説明してる。
話し終えると再度確認に家具売り場に行った。
そして、カリン製三角コーナー三段飾棚を見つけると、「これもイイ物でしょ?分かるわ・・迷っちゃうな・・」

俺が「2~3日だったら商談中にしておきますよ」と提案したら、
「家で置く場所を考えてみるわ、お願いします」となって保留品とした。
二日後その返事を持ってきたらしい・・・

スッと店に入って来たから「この間はどうも・・」挨拶したが、軽く頷いて店の中へ急ぎ足だ。
それから数回飾棚の前で首をひねってる、そして別な方へ行っては又来て・・首をひねって・・・
「どうしたんですか~~」俺は控え目に聞いてみた。

「あの~置く場所はあるけど・・・どうも雰囲気が合わないような・・・でも、モノはイイ物だし」
モノとしては欲しいが、しかし彼女としては部屋には似合わないと感じてて逡巡してるってことだ。
「あの~~それだったら買わない方がイイし、合わないと後悔しちゃうからね」

「そうですよね、でも・・・売れちゃったら・・・困るしィ~~」
やっと自由に買えるようになったが、買いたくても合うか不安だし迷いだけが大きくなってる。
「ウチも長くお付き合いしたいから、本当に気に入った物だけにしてください。だから今日は買わないでください」

俺は強い口調で進言した。
「そ、そうだよね、分かったわ」