リサイクル親父の日記

第69話 アレッ!?無い、ない、ナイッス

2015/06/07

今朝一番で買取に行ったら、なんとも話と違う代物でした。
数日前の電話では、数年前の食器棚、本棚、飾棚っていうことだった。
状態もちゃんとしてるからって説明を鵜呑みにするしかないし、性善説で聞く姿勢はいつも同じだ。

大きなマンションが数棟ある、その壱番館で4階フロアー、勿論エレベーターはある。
通路も比較的広めだから運び出しも問題なさそう。
ドアーが開いて廊下から室内が見えた瞬間に俺は恐怖を感じてしまった。

照明も点いてないがそれにしても雑然としてるのと片付けがまるでできてない。
廊下を進む時に3LDK各室が見えて、ゴチャゴチャくちゃくちゃと衣類やマンガ本が乱舞してた。
現物を見てやっぱり驚くしかない・・・

食器棚が見当たらなくて、本棚の棚板は擦り切れて真っ白く斑模様、飾棚は後ろに隠れてる。
良く見れば、食器棚を横起きにして使ってるし、だから床側扉にガムテープを貼ってる。
「これでは~~無理ですね・・商品にはならないから・・・粗大ゴミに出すしかないですよ・・」

俺はやんわりと断りを言って早足で退却した。
だから予定時間より早く次の現場に着いちゃった。
電話して了解を取ってマンション入り口に行った・・ら・・彼女が迎えてくれた・・・って、どゆこと?

「オートロックじゃなくて、中からしかドアーが開かないから・・・」
そんなドアーもあるのかと妙な関心をして俺は彼女の後を追った。
家電数点に小型家具が増えて7~8点になって、価格交渉で粘られて、それでもまとまった。

3階からエレベーターで下ろすのだが、途中で住人さん達が使うからパスしつつ、空き具合をみながらの作業だ。
2~3回上ったり下りて、次に上った時に、そこにある筈のローボードが見当たらない。
アレッ!?無い、ない、ナイッス???一瞬俺は眼を疑った。

メモ用紙を再確認すると3階の筈が4階になってたのだ。
無意識が最初の4階を思い出させてらしい・・・自嘲するしかなかった。
その鮮やかな対照に、彼女は完璧に掃除も片付けもできてるし、買取品の状態も最高なのだった。