リサイクル親父の日記

第89話 あれほど確認をお願いしたんだが・・・

2015/11/28

「8時に自動で開くんで、それまで・・・」
彼にそう言われても、俺はガックリきたよ。
先日見積の時にしつこく何回か念を押して、確認もお願いしてたんだ。

ここは仙台市中心部、交差点付近は片側3車線、4車線で車も人もメッチャ多い。
7時くらいから通勤で賑わいだす。
だから土日などの早朝が俺にとってのベストタイムである。

多人数をかければ真昼間でもやれるが、コストがかさみ、お客さんは損しちゃう。
それに多人数の見積をすれば、成約が逃げてしまう。
コストを省き買取価格を幾らでも上げるのが、俺の誠心誠意ってことだ。

ホテル、コンビニ、有料駐車場、飲食店などがビッシリ並んでる。
見積の時は有料駐車場に入れてた。
10~12階建の細長く高いビルの9階の一室。

正面玄関は表通りに面してる、裏口は鋼製ドアーで細い一通に面してた。
一通にトラックの路駐は不可能、するとメイン道路に路駐しかない。
すると、どう考えても土日の早朝がベスト。

事務机と椅子が買取品で、1年前の物だからすこぶる良品。
事務所移転に伴っての処分らしく、事務所の縮小移転なんだろうと想像できた。
担当してた女子事務員さんに伝えた。

「床とエレベーターの養生はどうですか?それに時間帯は朝7時、土日でお願いします」
彼女は近くに居た上司に近づき伺いを立てた。
すると上司の男性が俺に寄ってきた。

「大丈夫よ、どこも何もしてないし、土曜日に引越しだから土曜日に頼む・・・」
若くて声にキレがあったが、少々そこに不安を感じた。
他に5~6人の従業員がいたが、全員電話かけに夢中になってる。

事務所は一般的じゃなくて、机がほとんど、数台のメタルラックの棚がある程度。
ここに座れる30~40人分の椅子はどうするんだろうか?
仕事は電話かけ(!?)、そうとしか思えない。

この若者と女の子がおっさん達を管理監督する、その仕事って何だろう?
あんまり俺の常識外なので本当に読めなかった。
この2人の受け答えが軽いのも気になった。

同曜日の朝、7時前に現着したが、ビルの入り口はシャッターが下りてる。
電話しても応答が無い、兎に角待つしかない。
7時ちょうどに若い上司が髪の毛を振り乱してやってきた・・・

裏口鋼製ドアーから入ってって・・・数分後に1階に出てきた。
「今、管理会社に電話したら、8時に自動で開くんで、それまで・・・」と相成った。
それはそれで、ボーッとして待つ訳にもいかないし、次の予定もあった。

裏口ドアーは狭いのだが、机を縦にして、足から出して、本体をドアーを回して交わして・・・
えらくしんどく、遠回りの搬出を何度も何度もやる羽目になった。
30分の過ぎた頃に、あの彼女も寝ぼけ眼でやって来たんだねぇ~~~